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ナイト・ナイト・スウィート・ドリームス

第1章 むかしのはなし(※)

それから、お母さんは何度かフミヤを家に連れてきたけど、半年もしないうちに来なくなった。

そのほうがありがたい。
そのたびに私は耳をふさぎながら寝なければいけなかったから。

お父さんもお父さんで愛人を作っていたらしいから、別に責めたりも出来なかった。
それ以前に私ももう汚れているから、あの一夜のことがバレてしまえば何も言えなくなるだろう。


お父さんもお母さんも互いに興味がもう無いようだったし、私にだって、興味なんてないだろうから。

昔から、そうだったな。

あの夜があってから、一層私たちには溝が出来たけれど、でも、そんなのどうでも良かった。
こんなあってないような家族、どうなってもいい、とまで考えていた。



高校二年生の春、本当にどうにかなってしまうんだけど。

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