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ナイト・ナイト・スウィート・ドリームス

第1章 むかしのはなし(※)

お母さんも昨日は何もなかったかのように「おはよう」と言う。
私の口からも何もなかったかのように「おはようございます」が出る。

2人の時間はすれ違ったままで、汚いままなのに、よくこんなに堂々としていられるなと思った。
お母さんは浮気していて、私もこんな年で知らない誰かと繋がって非処女。
まあなんというか、血筋は切っても切れないものだなと思った。




結局エンコー(お金もらってないしただセックスしただけだけど)はその一度限りだった。
お金は十分にあったし、なにしろ汚いオジサンとセックスするのは死んでも嫌だった。

あの名前も知らないかっこいい男の幻影を私はずっと追っていたのかもしれない。
恋、なんて括りにできないほど汚い一度の関係だったけど、私はあの男の存在のおかげで今まで生きてこれた。

あの男が私の純情とを引き換えに快楽を教えてくれた。

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