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君が桜のころ

第2章 花影のひと

凪子は、綾佳の自分を凝視する黒い瞳を見つめながら仄かに笑った。
綾佳がはっと我に帰り、その桜色の唇をぎゅっと結び、苦しげに睫毛を瞬かせる。

しかし、綾佳は顔を背けようとはしない。
最愛の義姉、凪子が今まさに兄と淫らな体位で性交しようとしているのを見つめ続けていた。
「…凪子…!」
慎一郎の熱く掠れた声が響く。
慎一郎は凪子の背後から、その豊満な乳房を鷲掴みにし、乱暴に愛撫する。
「…ああ…っ…!…は…あ…っ…」
凪子の官能的な喘ぎ声が上がると、綾佳の白い頬が次第に紅潮してくる。
慎一郎は白くきめ細かな肌の感触を愉しむかのように、ゆっくりと凪子のお尻を撫で回し、そのあわいに長く形の良い指を差し挿れる。
「…ああっ…んん…や…あ…っ…!」
いきなりの衝撃に、凪子は小さく悲鳴をあげる。
「…すごい…もう…君の蜜が溢れているよ…」
慎一郎は凪子の背中に覆い被さりながら、耳元で囁く。
「…あ…んん…っ…い…や…」
甘く掠れた声…。
快楽の波紋を感じ始めている声…。

綾佳は金縛りにあったかのようにその場から動けない。
小刻みに身体を震わせながらも、美しい兄に獣のような体位で犯される余りに淫靡な義姉から目が離せない。
綾佳は己れの身体の熱く甘い疼きと奥底から溢れ出る熱い蜜に気付き始める。
…お義姉様…!
お兄様に…何をされるの…?

性的に極めて未熟な綾佳だが、これから始まる2人の行為が淫らな性の営みだということは分かっていた。

…兄の長い指が義姉の美しい秘められたあわいを抽送する度に、まるで猫がミルクを舐めるような湿った淫靡な音が部屋中に響き渡る。
「…はあ…っ…んん…慎一郎…さ…」
凪子の美しい彫像のような横顔に次第に淫らな色が濃く浮かび上がる。
窓枠に縋り付き、顔を伏せていた凪子がゆっくりと綾佳を見つめる。
…誘うような妖しい眼差し…
綾佳は胸を大きく上下させながら、自分のネグリジェの胸元をもどかしげに乱す。
小さな膨らみごと握りしめると、凪子はその美しい瞳を眇めて笑った。
綾佳は必死で喘ぎ声を噛み殺しながら、もう一方の手をネグリジェの裾から差し入れ、絹の下着の脇から己れの花園へと侵入させる。
その淫らな一連の動きを確認すると、凪子は綾佳に優しく微笑みかけ、瞼を閉じた。
その瞬間、慎一郎が低く呻きながら荒々しく逞しい雄刀を、容赦なく凪子の花弁の奥へと突き挿した。

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