誰も見ないで
第8章 記憶
俺は正樹と瑞稀君を部屋に行かせて、3人分のお茶と何か食べられるものをと思ってお菓子も持って部屋に戻った
すると
「そんなに昔からの仲なんですね」
「そうそう。もう腐れ縁なんだよ」
部屋では仲よさそうに2人が話しててくれて胸を撫で下ろす
良かった
楽しそうに話してくれてる
「お待たせ。はいお茶」
「ありがとう湊斗。ごめんね、気遣わせて」
いただきます、と正樹がお茶を飲んで、俺も一口お茶を飲む
すると、その様子を瑞稀君がじっと見つめている
「? どうしたの? お茶飲まない?」
俺が気になって聞くと、はっと気がついたように戻った瑞稀君が「飲む!」と言ってお茶を飲んだ
気になって瑞稀君の動向を追っていると、一口お茶を飲んだ後コップの水面をじっと見ている
「?」
何かあったのかな
思い出したとか、懐かしさを感じたとか
突然テンションを下げてしまった瑞稀君が気になって見ていると、俺の方をふと見た正樹が俺の髪の毛に触れた
「ん、なに?」
「あー動かないで。ゴミついてる」
正樹は言った通り何かを探すように俺の髪を撫でる
「あれ、見失っ……あ、奥にあった」
「取れた?」
「うん。もういいよ」