誰も見ないで
第8章 記憶
きっと幼馴染よりも兄弟の僕の方がお兄ちゃんと一緒にいる時間は長い
仲良かったって言ってたし
でも僕にはその記憶がないから
何も知らなくて、すごく悔しい
僕だってもっと
お兄ちゃんに近い人になりたいのに
近い人、だったはずなのに
「……って、なんで僕、こんな……」
思わず小さい声で呟いてしまったのは、僕の気持ちに呼応するみたいに下半身が反応していたから
着ていたズボンを押し上げて主張するそこが、1度気になってしまったらもう意識を晒すことなんて出来なくて
「……っ」
試しに抱き締めていた布団に腰を押し込んでみる
「っふ、ふ……っ、ふ……」
先端が布団に食い込むような感触に、脳から全体へ電気が走ったみたいに震えた
お兄ちゃん
お兄ちゃん
いけない気持ちなのはわかってる
けど、止められない
僕は布団を片手で抱き締めて
空いた方の手を下に持って行った
上から包み込むように触れて軽く摩れば、じんわりと先端が濡れる感触
服、汚れちゃう……
ズボンと一緒に下着まで下ろして
今度は握って上下に擦った
布団に顔を押し付けながら漏れる息を殺して
「お、に、ちゃ……っ、すき……ぃ、」