マリア
第14章 虚飾曲
大好きな先生に抱かれているにも関わらず、
恥ずかしい体勢で行為をしていたにも関わらずに。
「ねえ、先生。」
潤「ん?」
「僕、変なのかな?」
潤「ん?イケなかったから?」
無言で頷く。
潤「それは分からないけど、僕のせいかも知れない。」
「体調が良くなかったから?」
突然振り向く僕に驚く先生。
潤「まあ…それもあるだろうけど、どこで感じるかは個人差があるだろうし、何より…」
先生は、僕の体を突然反転させた。
潤「僕の力量不足だろうね?」
寂しそうに笑う先生に、少し責任を感じてしまう。
「先生は悪くない!悪くない…よ。僕が…僕がいけないのかも?僕がおかしいのかも?」
すると、俯く僕の頭を先生の大きな手が撫でてくれた。
不思議だ。
先生にそうされると、気持ちが落ち着く。
潤「言ったろ?個人差がある、って?それに、イカせられなかった僕の責任でもあるって?」
「でも…」
やっぱり、
僕が変なのかもしれない、という思いが終始支配していて、
その日、家に帰ってベッドで目を閉じていても、
そのモヤモヤを払拭することはできなかった。
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