同窓会 SN
第2章 10年ぶりのアイツ1 翔
でもコイツは知らん顔で ふら~っと、立ち上がり、
少し危なげな足取りながら
ゲストルームに備え付けのバスルームへと消えた。
あ、タオルあったかな。それと着替え・・・
でも、ドアを開けるのは憚られる。
和也が声を掛けてきたら 持って行ってやろう。
すると、すぐにドアの向こうから俺を呼ぶ声がした。
「おーい、翔・・・これ、わかんねぇんだけど…」
「ああ、今行く」
ドアを開けると、アイツが一糸纏わぬ姿で バスタブの淵に力なく座っていた。
ああ、これドイツ製だから、温度調節とかちょっと面倒なんだよな…
と言っても 素面のときなら分かりそうなもんだけど
酔ってるコイツには無理だったか…。
ちょうどいい温度設定にしてやり、
「これでいいぞ、ここをひねると出るから」
「ん、ここ?」
そう言いながらもう、勢いよくお湯を出し始めたので 横にいた俺にまでお湯が降り注ぎ、思い切り濡れてしまった。