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裏小屋

第3章 山遊びと小屋探索

 あったのは、山桜と松の木くず。それをビニール袋一杯に集め、肉を乗せた金網の下に敷き詰めた。

 今度はその肉の上から大きめのコッヘル(鍋)をかぶした。

 その状態で、チャッカマンを使って、木くずに火をつけた。

 桝本は燻製を作ろうとしていたのだ。

 その間、少し下りた下段の方で「うわぁーーっ!」という悲鳴が聞こえた。

 なにをしているのだと、桝本が覗く。

「なにやってんだ、あいつら」

 落差の低い滝状になった場所で、発泡スチロールの箱を使って、危険な川下りを、石柿と勝山がチャレンジしていた。

 下の方は、まあまあな深さの滝壺があり、落ちては上がりの繰り返しで楽しんでいる。

「危ないなぁ……」と言うのも滝壺の周りは巨大な岩がごろごろしており、万が一、そこに落ちた場合、命にかかわる危険性があった。


 だが、桝本は……



「燻製、上手くいくだろうか……」

 そっちが大事だった。

 やがて、声が賑やかになってきた。

 高橋と馳谷が戻って、遊んでいるのかと覗いてみる。






 しらない若者が四人ほど増えていた。

「誰やあいつら?」

 後で聞くと、知らない大学生がやらせてほしいとやってきたらしく、そのまま一緒になってはしゃいでいたらしい。

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