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裏小屋

第3章 山遊びと小屋探索

 全員、靴以外グショグショ。

 さんざん滝で遊んだ挙げ句、ややクタクタになりながら、ベースまで戻り、パンツとシャツだけの姿で準備を始める。

 大学生に焼き肉を誘ってみたが、合宿かなんかで、山の民宿にいるらしく、そっちでいい料理を嗜むというね。

 石柿は手の平に数ヶ所の傷があった。晩飯に食おうと沢蟹を集めて、手に握っていたが、4匹しか見付からず、ハサミでズタズタにされていた。沢蟹の本気が石柿に勝った。

 夕暮れ時になっても暑さは残り、干していたジーンズも、それなりに乾いてきた。のちに、またグショグショになろうとは、この時はまだ思ってはいなかった。

 使い捨ての焼き肉セットは2つ用意したが、五人がまとめて食うとなるとはばが少なく、大きくて平らな石を鉄板代わりに使おうかとも思ったが、都合のいいくらいのものは見付からず、鍋を用意して、水を入れ、豚肉と野菜と味噌をぶっ混んだあと、真っ赤にガンガンに焼けた石を鍋に放り込んだ。

 すると、その熱で鍋の中から沸騰し、豪快な豚汁が出来上がった。

 読んでてよかった、アウトドア雑誌。初めて役にたった。


 山の中の食事は、魔物がいます。

 あっという間に半分の5キロの肉と野菜、豚汁が空になった。


 腹がパンパンになった後でも、高橋と馳谷がスーパーで買ってきたスイカを食おうかみたいな話が、軽く飛び出したくらいだ。

 それでも、まだ、4キロ弱くらいの肉が余っており、これは、また持ち帰ろうという話になった。

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