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裏小屋

第4章 テントの中で

 閉めきると、男五人の熱気が暑苦しいので、網目の幕だけを閉め、換気をよくする。

 BGMに、勝山がもってきた音楽をかける。

 それが、当時少年サンデーで連載されていた「八神くんの家庭の事情 」という、漫画のイメージアルバムだった。


 誰も知らんし……


 ただ、漫画作品は知っていたから、よく覚えている。

 それでも、なにを聴いても、この空間の中では、楽しいんだよね。


 勝山が、自分のリュックから小瓶を出した。

「これこれ」

 出したのは、ブランデーのミニチュアボトルだった。

「はぁ? お前、まだ酒を飲むの!?」と馳谷が呆れる。

 勝山は栓を抜くと、聞き耳持たず、少しだけ紙コップにいれ、一気に飲みほした。

「かぁーーっ! これこれ!」

 ちなみに、まだ誕生日はきておらず、この時の勝山は、まだ18歳だ。

 この男はすでに酒豪の道に足を踏み入れていた。この時のメンバーの年齢は、高橋19歳、桝本19歳、
馳谷18歳、石柿18歳である。

 勝山は、15歳から喫煙もしていたが、来年20歳になるからと、逆に禁煙をはじめ、キッパリとやめた。


 

※未成年者の喫煙、飲酒は固く禁じられております。

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