
裏小屋
第4章 テントの中で
すでにアル中の肝臓を持つ未成年勝山は、突然、こんなことを言い出した。
「俺、中2の時な、一泊二日の校外学習行かんと、学校で一人おったやんかぁ」
当時、勝山と同クラスだった桝本
は、「あったあった」と頷いた。
親が離婚し、父子家庭で過ごす勝山は、親に負担はかけまいと、参加費用を必要とする行事は参加しなかったという。その事実は、桝本が知っていた。
当時、本人から紀伊田辺話、実は、修学旅行や遠足等は、毎月支払う学費の中にその分は含まれていたようだが、この校外学習は、1ヶ月くらい前に納めるようにと専用の封筒が手渡されていたが、勝山は家のことを考えて、それを出さなかった。
だが、親父さんはその封筒を見つけ、「気にするな。行ける時に行け」とお金を入れて本人に渡した。
行くか行くまいか、決心がつかない勝山は、それを家の机の引き出しに入れておいた。
だが、それを遊びにきた悪友が、勝山がトイレに行ってる隙に盗んだとされる。
そいつらが盗んだのは明らかだ。だが、それを追及しても証拠はどこにあると言われる。
申し訳なくて父親には言えず、校外学習に行くからと言って、学校の教室で一人、なにも食わず一夜を迎えたという。
勝山の口から出た悪友の名前を聞いて、馳谷は「あいつらは、やりそうやわ……」と苦い表情を浮かべた。
「俺、中2の時な、一泊二日の校外学習行かんと、学校で一人おったやんかぁ」
当時、勝山と同クラスだった桝本
は、「あったあった」と頷いた。
親が離婚し、父子家庭で過ごす勝山は、親に負担はかけまいと、参加費用を必要とする行事は参加しなかったという。その事実は、桝本が知っていた。
当時、本人から紀伊田辺話、実は、修学旅行や遠足等は、毎月支払う学費の中にその分は含まれていたようだが、この校外学習は、1ヶ月くらい前に納めるようにと専用の封筒が手渡されていたが、勝山は家のことを考えて、それを出さなかった。
だが、親父さんはその封筒を見つけ、「気にするな。行ける時に行け」とお金を入れて本人に渡した。
行くか行くまいか、決心がつかない勝山は、それを家の机の引き出しに入れておいた。
だが、それを遊びにきた悪友が、勝山がトイレに行ってる隙に盗んだとされる。
そいつらが盗んだのは明らかだ。だが、それを追及しても証拠はどこにあると言われる。
申し訳なくて父親には言えず、校外学習に行くからと言って、学校の教室で一人、なにも食わず一夜を迎えたという。
勝山の口から出た悪友の名前を聞いて、馳谷は「あいつらは、やりそうやわ……」と苦い表情を浮かべた。
