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裏小屋

第4章 テントの中で

 そんな、中学生の頃の話で、盛り上がった。

 気分も高揚し、テンションも上がる中、馳谷がある話をはじめた。

 それは、高橋と二人でスーパーに行って、帰ってきた時の話だ。

「いや、あのさぁ、あの小屋のことなんやけど」

 馳谷が話しはじめると、高橋は紙コップを口につけたまま、目線を馳谷に向けた。

「俺とひろっちゃんで、買い出しに行ったやんか、その帰りなんやけどな」

 四人の目が馳谷に移る。

「あの小屋に人がいたんだよ」

「あ、そうや、おったおった」と高橋が、頷きながら言った。

「人? あの小屋にか?」

 勝山が言う。

「そうよ、そしたら、こっちに向かって、『勝手に入るなっ!!』とか言って怒鳴ってきやがってよぉ」

「あれは確かにムカついたな。入ってないのによ」

 高橋もそうとう怒っていた。

「えっ!? なんか、下で川遊びしてる前?」と桝本。

「そうやで、カチンときたわ」

 馳谷が舌打ちする。

 勝山の目がすわりだした。

「なんか、気分悪いな。明日、そいつつかまえてボコるか」

 話を聞いて、勝山までがムカムカきている。酒が入っているため、やや怒りっぽくなってきていた。

「だから、勝手に入ったらアカンねんて。お前がけしかけるからそうなったんやて」と桝本が勝山をあおる。

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