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裏小屋

第4章 テントの中で

 その時はどんな話をしたのかそれほど覚えてないが、ただ、よくある「お前だーーっ!」のオチの話をなぜか、高橋と石柿がしていました。

 怪談なのに、唯一笑いに包まれた。

 怪談の話をもっていない石柿。

 いきなり、出した話が殺人事件に飛ぶんだよね。で、その犯人は……お前だーっ……て、なぜか桝本に指差して、桝本が「わけわからん理由で俺かい!」と、つっこんでいた。

 怖い話がなかったら、無いと言えば済むことだが、誰も話さなければいけない空気を作ってないにもかかわらず、無理矢理話そうとした結果が、それだった。

「そう言えば、勝山はどうなったんだ?」と高橋。

「あれやったら、呼んでこよか」と桝本が勝山を呼び戻すことにした。


「うわぁっ」と突然、石柿が声を出した。

「どないしてん!」と馳谷が声をかける。

 ここで、石柿が、なにか小さな異変を感じますが、これも本編を読んでください。

 それをやったのが、勝山じゃないかと、桝本ではなく、高橋がどしゃ降りの中、外に出た。

 だが、テントの周りには誰もいない。

「あれ?」


 高橋はテントに戻る。


「誰もいないぞ」と言うが、石柿は背中が気持ち悪いのか、体をくねらせた。

「かっちゃんじゃないとすると、誰なん?」

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