蜘蛛♠
第2章 ミッション開始
「そこに毛布が置いてあるからくるまってて!!」
念のためだ。
万が一、S子たちが家の外で待っていないとは限らない。
関口の存在がばれてしまっては全ての計画が水の泡となってしまう。
それから車を走らせる事およそ3分。
それらしきアパートを発見した。
「確か………オッパイハウスD-101だ」
形の似たアパートが全部で4棟並んでいる。
川澄は近くまで車を走らせ、それがオッパイハウスであることを確認した。
目の前のスペースには何台かの車が停車されている。
おそらくアパート住人の客人の車だろう。
スペースは充分にあるのでD棟に一番近い所に車を停車した。
アパート周辺は街頭があるとはいえ、かなり暗い。
誰もいないことを確認して、川澄は毛布にくるまる関口に語りかけた。
「さて、行ってくるぜグッチ君!」
「◯△□※△◯□※◯□※!!!」
毛布の中の関口の声はただの雑音としてしか川澄の耳には入らなかった。
それをあえて無視し、川澄は車から降りた。
3月とはいえ、まだかなり肌寒い。
周囲を確認しD棟へ向かう。
すると街灯の下に二つの人影。
目を細め静かに近づく。
そこにいたのは、S子とM奈だった。
※この小説は半分フィクションです