蜘蛛♠
第3章 アルバイト
なんとできた女性か。
謝るべきは断然こっちの方だ。
「い……いや……あのぉ~、悪いの全然俺なんで……。すいませんほんとに……」
女性に謝らせてしまった事に対し坂本は不甲斐なさを感じた。
すると恭介。
「まぁまぁ、あっ、紹介しますね!彼女の架純です!!まだ付き合って3ヶ月ぐらいっす!」
「架純です。よろしくお願いします。」
恭介の彼女を見るのは今日が初めてだった。
情報はある程度は耳にしていた。
名前は有村架純。
歳は24歳で恭介の10個下になる。
職場で知り合ったらしく、恭介が一目惚れをしたのがきっかけだ。
「あっ……よ…よろしくお願いします……」
前髪をいじりながらたじろぐ坂本。
「架純。コーヒーお願い。あっ、坂本さん座って下さいよ‼」
「あ、うん!今沸かすね」
恭介の言葉に架純が動いた。
付き合って3ヶ月でもうこの仲か。
坂本は恭介を羨ましく思った。
坂本にも彼女はいた。
もう付き合って3年になるが今ではもうラブラブ感は消えている。
とても気が強く、金使いも荒く、坂本はただの奴隷のような日々を送っていた。
そんな中、架純のような可愛くて中身もしっかりしている女性を見て嫉妬しないわけがなかった。
恭介は坂本と対面してテーブルに座った。
「で、どうしたんすか今日は???なんかあったんすよね?」
恭介の声に坂本は我を取り戻した。
「そうなんだよ!!!事件て言うか~とりあえずこれ見てくれ‼」
坂本は一枚の封筒を恭介に差し出した。
恭介は封筒から紙を取り出しそれに目を通した。
恭介の顔が一瞬で青ざめた。
※この小説は半分フィクションです。