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蜘蛛♠

第4章 誤算

セックスに持ってくにあたって、あのタイプの人間はガードが相当固い…。時間もかかるしお金もかかるタイプだ。
もし、相席居酒屋でこの手の女と遭遇したら、川澄は確実にスルーする。
理由は簡単だ。
女VSお金&時間を天秤にかけた時、労力のが明らかに大きいからだ。
川澄はそれを「メモリの無駄使い」と呼んでいた。
だが、今回はそうも言ってはいられない。旅団の仕事であるのもそうだが、相手はあの大物S子。
秘めた能力が未知数である以上、こちらも命を賭じなければ、確実にはしとめられない。

S子を落とすには、やはり酒に酔わせて王様ゲームに持っていくか…………
だが、それでも確証はない。
そもそもM奈はよしとして、S子が果たして王様ゲームなどという、くだらないゲームをやるのだろうか。

川澄はM奈のパーカーを、そのまま腰に巻き立ち上がった。
右手に持つピンクのおパンティ。
広げてみるとM奈の愛液が、たっぷりとこびりついている。
M奈……………。
M奈を味方につければひょっとして………
いや、作戦としてはこれしかない。なるべくM奈のご機嫌をとりつつ、手の平の上で操り、そしてS子をその気にさせる。
名付けて「MRS大作戦」
(M奈を・利用し・S子をGET)

作戦名が決まったところで、川澄は何を思ったのか、M奈のおパンティーを突然かぶりだした。
1回でいいからやってみたかった。
以前、ある漫画で読んだ「変態仮面」。
女性のパンティを被る事により力を得る事が出来る。
ただの願掛けだが、今は少しでも力が欲しい。

川澄は右手を突きだしポーズをとった。そして気合いを入れた。

「プシャーーー!!!」

川澄は気付いていない。
それは「変態仮面」ではなく、「ペプシマン」だという事に。

すると、突然リビングのドアが開いた。
焦った川澄が振り返る。

『えっ……!!!!』

川澄の姿を目にした女の手から、オタマが床へと転げ落ちた。

変態ペプシマン………ここに散る……。

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