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蜘蛛♠

第5章 能力者


川澄の変貌した姿を目にした女が、言葉に詰まる。
「えっ……………??けっ…………圭ちゃん………??」

女の正体………。
M奈……ではなくS子!!!!!!!!

S子の足元をオタマがコロコロと転がっていく。
変態ペプシマンの姿を目にしたS子は、まるで出す言葉が見つからない。
川澄はパンティーを被ったまま、右手を突きだし不思議なポーズを構えている。
S子は何も見ていなかったかの様に、そっとドアを閉め、リビングへと姿を消した。

3秒ほど固まってから、川澄はこの状況にやっと気づいた。
やっちまった……。やっちまった!!やっちまったぁぁぁぁぁぁ!!!
よりによってS子にこんな変態な姿を見られるなんて!!!!!
俺は何をしてるんだっ!!!
終わた…………もう終わた……………人生終わりだ…………
ぬぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!
川澄は床に膝まずいた。

ほんの出来心でやってしまった変態仮面。
何故ここでやってしまったのか……。パンティーを被るなんて今日が初めてだ。なのに何でそんな時に限って目撃されてしまうんだ!!!!
しかも、あの大物S子に。
いや、そもそも何でパンティーがこんなところにある?
罠???M奈が仕掛けた罠なのか???やはりこれもM奈の能力のせいなのか!!??
いや、違う!!!パンティーを被ろうとしたのは俺の意思だ。M奈は悪くない!!
ってかどうしよう~!!!!めっちゃ気まずぃ~!!!
あっちの部屋行きたくね~!!!!
ぐぉぉぉぉぉぉぁ!!!!!
川澄の思考がグルグルと回転する。
何を考えても時間は戻らない。この現実を素直に受け入れるしかないのだ。

川澄はおもむろに携帯を取り出した。
時間は21:40。関口には22:30~23:00に合図を送ると言ってある。だが、この想定の範囲外な出来事の連続に、この先計画通りに行くとは思えない。
念の為、関口にLINEを送った。
『わりぃグッチ!!ちょっと苦戦するかもしれん‼多少遅れるかもだけどよろしく!!』

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