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好き心少なからず

第28章 球技大会2(八神)

腕を上げて体を伸ばしたりしていると

「輝穂は、試合…勝ちたい?」

探るような口調に、返答を一瞬考える。

「ん…どっちでも」

「負けても悔しくないの?」

「多分ね」

軽く答えて、自分の答えに笑ってしまう。

もともとやりたかった競技じゃないし。

負けて悔しいのは、頑張ってきた気持ちに対して、見合わない結果だったから。

そんな必死に練習もしてないから、たとえ負けたとしても悔しいなんて思えない。

「そっか」

私の答えに、絢音はにっこり笑うと

「だったら、私と同じかな?」

「え?」

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