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好き心少なからず

第39章 実験~岸田×八神~

本当に何気なく。

つい、親指に付いた血を舐めとった。

「え」

ポカンと…目を丸くして、輝穂は俺を凝視している。

「え?」

無自覚だったから。

何で輝穂がそんな顔をしているのか不思議で。

立ち上がった時に、加納と目があった。

「先生…きしょっ」

「は?」

「輝穂の血、舐めた」

「あ、ああ」

言われて…はじめて気付いた。

「血が出たとき舐め取ったりしないか?」

「自分のならするけど他人のはしない!」

「ついやっただけだ。癖みたいなもんだよ」

加納はうわー…と顔をしかめる。

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