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好き心少なからず

第40章 キスしたい~梶×宮下~

花夏が何度か瞬きを繰り返した。

「何で…律さん…?」

戸惑ったように睫毛を揺らして聞かれて、その姿に眉を寄せた。

「律さんが好きなんだろ?」

「何で…?」

ポカンとして、抑揚のない声で聞いてくる。

何で?

何で分かったの…ってか?

「見てれば分かる」

俺だって気付いたんだから、自分でも分かってるんだろ?

眼鏡のズレを指先で直していると

「…そうなんだ」

花夏は妙に気落ちしたような声で答えて、肩を落としていた。

花夏の周りの空気が重苦しくて…

なんだってこんなに居心地が悪いんだよ!!


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