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天然な君

第2章 俺の君。

料理をしながらやっと我にかえったような僕の耳に、インターホンの音が響く。
玄関まで迎えに行って、鞄を受け取った。
朔さんはその馴染んだ一連の動作に不信感を抱いたのか、僕の手をひいた。
完成済みのスープの匂いが鼻をかすめ、キッチンテーブルではなくリビングのテーブルの前に座らされた。
朔さんは、怪訝そうな顔をしながら僕の顔を見つめて言った。
朔「どうした?」
悠「どうもしてないよ?」
小首をかしげて言うと、
朔「…違う男の匂いがずっとしている。それは、俺の口から聞くべきか?」
その的を得た発言に息が詰まった。
僕は静かに首だけをふって、「僕から話す。」そう言った。

今日あった事を話していく。
奈央が家に来たことを。
些細なハプニングがあった事も話した。

朔「ほう。それで悠の体にこんなに匂いがつく訳になってるんだな?」
どうしても言えなかった。
奈央の事を想ってるからではない。
朔「…わからせようか?」
体が浮き上がると思うとお風呂場に連れて行かれた。

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