
マジカル☆ステッキ
第6章 初めての気持ち
「ボク、知ってたよ」
「えっ……?」
互いに、手を握りしめたまま二人は見つめ合う。
驚きの表情を見せたのはアリサの方だった。
ヨシヒロは、いつもと変らぬニコニコ顔。
(知ってた……?)
聞き間違えたかと思うほど、ヨシヒロの答えにアリサは言葉を失い、思考が止まる。
その事実を隠そうとしていたこと、自分勝手な解釈でヨシヒロの気持ちを考えてなかったこと。
ヨシヒロは自分に失望しただろうと思っていた。
「わたしには人類の敵である魔族の血が流れてる」
「うん、だけどアリサは人類の敵じゃないでしょ?」
