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「だから……ヨシヒロと、ずっと一緒には」

　心のトゲがチクチクと痛む。
　本当に今更である。
　彼の心を知り、それを利用しようとしている自分は、やはり人ならぬ者の考え方なのだと。

　ヨシヒロの願いは“英雄”になることではなく、アリサとともにいることだった。

　もちろん、それは彼が望めば可能だ。
　しかし、人類とは寿命の長さが違う魔族では、いずれヨシヒロはアリサを好きになったことを後悔するときが来る。

　────その未来まで考えが及ばなかった。
　だから“些細な問題”なんて思えたんだ。