マジカル☆ステッキ
第6章 初めての気持ち
「あっ……」
アリサの承諾も得ぬまま、ヨシヒロは強引に唇を重ねてきた。
柔らかな感触が押し当てられたかと思えば、ヨシヒロは軽くアリサの唇をついばみ、また深く口づけを交わす。
強引だけど優しく甘いくちづけ。
抵抗すれば簡単に押しのけられるはずなのに、アリサは瞳をとじヨシヒロを受け入れた。
────甘い感情も、気持ちも必要ない。
行為に対してアリサは食事と同じ感覚だった。
お腹いっぱいで、もう食べれないほど満足している。
だが、それでもヨシヒロがわかり合いたいために杯を差し出したのなら飲み干すのが礼儀というもの。