マジカル☆ステッキ
第2章 はじまりの村
「アリサ、わかったよ。じゃあボクと結婚してくださーーい!」
木造の宿屋にて、何度目かもわからぬほどヨシヒロの絶叫が壁を突き抜け響いた。
彼の覇気がただ漏れするなか「は?」と、アリサも目が点になる。
────順序って、言ったよね? それこそいろいろすっ飛ばしてない?
「だって。子供できたら困るし」
ヨシヒロは乙女のように眉を寄せ「あ、勿論ボクは責任をとるけどね!」と、男らしくも言った。
「いや、子供はできないから。説明聞いてたの?」
この時、アリサは焦っていた。
一秒でも早く、ことを及び目標達成することに。
もう一度、説明なんてしてられない。
この男をいかに説き伏せるか、そればかりが頭を支配する。