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マジカル☆ステッキ

第2章 はじまりの村



「嫌いな相手ならこんなこと頼まない」

 それは嘘だった。
 アリサは勇者ならば誰でもよかったのだ。

 贅沢を言えば優秀な勇者が良かったけど、それは自身の妥協でなんとでもなる。

 ヨシヒロはわかったのかコクっと頷いた。

 多少なりとも心が痛む。
 ヨシヒロを騙すつもりはないが、結果そうなってしまうことに。

 彼の善意を利用しているだけだ。

(悪魔の契約、彼が望まなければこんなことにはならなかったのだから)

 

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