マジカル☆ステッキ
第2章 はじまりの村
宿屋の亭主は大熊のような図体、髭をモサモサとはやし強面ではあるが優しいひとだった。
豪快に笑い、気さくさもにじみ出る、
「おまえたち。引き出しの中身も見てないのか?」
「へ?」
「ここは、はじまりの村だぜ? 初心者にも優しい村作りが売りだ」
ガハハっと、下品な笑いをする亭主。
「まぁ、知らなくてもいいことだ。オレはおまえたちを気にいった。気をつけて冒険を続けるこった」
アリサたちは引き出しの中身など気にする余裕すらなく、亭主の言葉に目をぱちくりして「はぁ」と気のない返事をする。