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「すみません。いつか返しに────」

　その時、宿屋の外から悲鳴が聞こえた。
　入り口の方を振り返ると、青ざめた女性が飛び込んでくる。

「お客様のなかに冒険者はいらっしゃいませんかー！」

　どうやら村の外からモンスターの大群が押し寄せて来たらしい。

「ふふ、都合よくイベントが発生したようね」

　アリサはニヤリと微笑む。

「お譲ちゃんやめとけ。最近、この村に現れるモンスターだ。初心者のおまえたちのかなう相手じゃね」

「あぁわ、アリサ。逃げよう」

「何言ってんのよヨシヒロ。アンタ勇者でしょ」

「勇者でもこわいものはこわいんだ」