
マジカル☆ステッキ
第1章 プロローグ
「失礼しました。わたしの不徳とするところです」
アリサは無礼をわび、改めて申し出る。
「勇者ハヤト“様”どうかお供をすることをお許し願えませんか?」
同年代に敬称をつけるには抵抗がある。
しかし首席で卒業した彼らは、おそらくそのことにご立腹しているのだと判断する。
魔法学校はクラス分けで学ぶ授業が異なる。
アリサの所属はCクラスで主に処世術を叩きこまれていた。能力がなくとも冒険者として生きていくため必須スキル。
アリサは学校の方針が肌に合わなかった。
しかし、みっちり叩きこまれた処世術は、アリサの意図に関わらず発動してしまう。
