マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
城兵に呼ばれ、アリサたちは謁見の間へと向かう。
広々とした空間、壁際には何十人もの城兵たちが並んでいる。
入り口より、王座までレッドカーペットがひかれていてその上をヨシヒロはガチガチに歩く。
「よくぞ参られた勇者ヨシヒロよ」
それは堂々と、国王は威厳を見せ、広間に響き渡るほどの澄んだ声量で話しかける。
冒険の主役は勇者であって、アリサは従者扱い。
ヨシヒロより一歩後にて膝まつき、高級そうなレッドカーペットを見ていた。
「此度は、はじまりの村にてモンスター退治をしてくれたそうだな、例を言うぞ」
「もったいなきお言葉、ありがとうございます」
必死に覚えた口上をヨシヒロは、わずかに震えた声だが、それでも丁寧に答える。