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「では、僕は失礼します」

「うむ、本当にありがとう」

エメがレブロの家を出た時には丁度昼時だった。

(昼……か。何か食べるか)

エメは、街の広場の方向が少し賑やかなことに気がついた。

(行ってみるか)

エメは昼食を求めて街の広場へ向かった。



広場につくと、人だかりが出来ていた。
何かの野次馬のようだ。
人々は皆、道を開けるように並んでいる。

「今年は何人目だ？」

「三人目だな」

エメは野次馬の声を聞き、皆が見る方向を覗く。

(何が始まるんだ？)

すると突然声が響く。

「領主様がいらっしゃったぞー!!」

その野次馬に挟まれて出来た道を、白いスーツを着た男が歩いてきた。黒のシャツに赤いネクタイ。エメより一回りほど年上だろうか。
金色の髪に、細身な体つき。身長はエメより少し高く、顔も整っている。

(あれが領主……)

そしてその隣、一歩後ろを歩く女性の姿。
エメとさほど年齢は変わらないように見える。
笑顔で、野次馬に手をふる。

そして二人を挟むように、二メートルほどのゴーレムが２体、歩いている。

領主とゴーレムが立ち止まると、彼女も立ち止まった。