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第3章 街の闇

領主が声をはる。
「今日はいい日です!」

野次馬がシンと静まる。

「彼女は今日で18歳! 記念すべき日だ!
皆さん……盛大に送り出してあげなさい!」

静まりかえったままの広場。

「チッ……なんだノリわりぃな。」

領主は急に悪い顔をしたが、すぐに笑顔に戻る。

「まあ……いいでしょう! いきますよレイラ!」

レイラと呼ばれた女性は、笑顔のまま頷く。その笑顔はどことなく不自然だ。

領主はまた歩み始める。そこで、一人の男が野次馬を割って領主の前に飛び出してきた。

「りょっ……領主様! 」

「おお、レイラのお父様。今日はいい日ですね!」

「レイラはまだ18んなったばっかだ!どうか酷いことはしないでくれ! 頼む! 」

女性の顔から少し笑顔が消えるが、すぐに笑顔になる。

頭を下げる男性に、領主はため息をつく。
そして笑い始めた。

「ふふふ、ふはははははは! ……当然、酷いことはしますよ! 私はそのために召喚しているのですから! ははははははは!!」

頭を下げる男性の顔がみるみる怒りに変わっていくが、領主が手をあげると1体のゴーレムが男性を押さえつけ、道のそとへと連れていってしまった。

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