
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸(改訂版)
第5章 その時・紀永-
玉の輿を狙う女共・・
私が未だ独身だというところに目を付け、金と地位と早乙女の名欲しさに言い寄る欲の塊。
そんな薄汚い世界が、ほとほと嫌になった‥‥
仕事なら、屋敷からでも十分以上にこなせる‥
この部屋1つで本社・子会社・系列会社全ての情報が把握出来るシステムを作り上げ‥
信用出来る20名程の秘書と、100人足らずの直下の部下だけで、全ての会社を上手く回す仕組みを構築。
そんな私は、この屋敷から出る事も無く‥‥‥
だが、流石に屋敷ばかりだとストレスも溜まる‥
だから、屋敷近くの商店街に、アトリエを1つ作ったのが‥
それが"アトリエ杉田"
私と外を繋いでくれる唯一の場所‥
元々、若い頃に画家を目指していた私に取って、あのアトリエは快適だった‥‥
あの場所からドライブに出たり、普通に商店街の人達と接したりと、早乙女の名に縛られない自由な時間。
杉田という名字は、随分前に亡くなった母方の姓‥
それに名は漢字だけを変えて"杉田季永"…
画家なんて本名を使わず、ミドルネームで活動しているのも多いから、誰1人不信に思う者は居ない。
そんな束の間の自由を手にした矢先の事だ、美紀がアトリエに入って来のは‥‥‥
初めは本当に、絵を教えるだけのつももりだった‥
どう見ても女子高生‥
いい加減オジサンの類になりそうな私など、見向きもされないと思い込ませるのに必死の日々…
それが、ふとしたきっかけで、私は美紀に手を出してしまい‥‥
でも、幸せだったあの数ヶ月‥‥‥
無条件に慕い愛してくれる美紀に、私はのめり込んだ‥
未成年と知りながら・・
