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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸(改訂版)

第5章 その時・紀永-




「それと‥‥
言い難いのですが‥
秘書達の話では、あらかさまに痩せ、露出の多い服装だったのが、急に手足を隠すような服装ばかり‥‥
何かあったのは確かなようです、何かは分かりませんが‥」


「調べ‥られないのか?」


「出来る限り追うようにと、指示は出しました
ですが、夜の外出があまりにも不定期の為、追うのに失敗しているようです」


「・・・
そうか・・・」


外の機関を使わず、内輪‥秘書達の中から交代で張り付かせている為、四六時中張り付いている訳にもいかない。


全て表に出す事無く・・


これが、見逃しの穴を作る、仕方の無い事だ。



それにしても、痩せて隠れるような服装で外出とは、一体美紀に何が起きているというのだ!?


ああまで生活が変わっても、元気だと心のどこかで安心はしていた‥


だというのに、ほんの少しの間に、こちらが不安になる程の変わりよう。


直接手が出せない分、不安と苛々だけが募る・・・



「早く‥原因が分かれば良いのだけどね」


「うちの者達も努力はしています、結果はもう少しお待ち頂ければ‥と‥‥‥」


「あまり無理を言うものでもない‥
皆、それぞれに仕事がある、その間の時間に回って貰っているのだ、これ以上負担になる事は避けたいのが本音だ」


「しかし‥‥」


遠藤は随時私に付いているせいで、私の心内を理解している‥
私が美紀をどう思っているのかを‥‥‥


だが、他の秘書達にこれ以上の負担を強いられない。


ただでさえ、私の我が儘故に、少ない人数で屋敷から会社と、それぞれ皆忙しく仕事をこなしているのに‥‥


美紀が私の娘だという事は、皆には話をしている‥
だが、それ以上の事は、遠藤くらいしか知らないだろう。



言える訳も無い・・・


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