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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸(改訂版)

第6章 その時・桜-




「放課後に、一と忍と落ち合ってから、倉庫に行くぞ」


「うん、分かった」


そろそろ次の授業、克己はサッサと席に戻ってしまう。



・・・美紀の事、気にならないのかな??



仲間だと思っていたのに、美紀があまり夜遊びしなくなってからは、克己は美紀に対しては控え目な態度。


美紀と話す事も少なくなって‥‥


そんなものなの?


もっと心配してあげてよ‥‥


それとも、連まないのは仲間じゃ無いとでも言いたいワケ??



私は馬鹿だけど、ちゃんと美紀の事を心配してる。


仲間で友達で頼りがいがあって‥
そんな美紀が、私達にまで隠す事、絶対良い事じゃないのは確かじゃない!


それなのに・・・



考え事で休み時間は潰れ、私は追い付かない授業に必死。


チラッと美紀を見れば、ノートも取らずに、シャーペン持ってボーっとしているだけ‥


心配で心配でしょうがない!


美紀は私の心を開いてくれたけど、美紀の方はなかなか開いてくれない。


このガッコに来る前の事は、あまり教えてくれないし、家族の話をするのも嫌がる。


家庭事情で、あの天才付属高から夜学に来た、そしてあまり家には帰りたくない‥
私が知っているのはそんな程度。


でも、そんな事は関係ない‥
このガッコに来る連中なんて、みんなそれぞれ事情を抱えている、それを聞かないのも夜学の特徴。



そういう私だって‥‥


馬鹿だから、全日に入れなかったのもあるけれど‥
不登校に親父の暴力、それが積み重なって今此処に居る。



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