君のKISSに夢☆CHU
第8章 ダイニングbar☆MOON
「桜音だから、桜をイメージしたカクテルにしてくれたんだね。ありがとう!嬉しいっ。」
「僕も桜音が喜んでくれて、嬉しいよっ。」
来騎が照れている。
私のために、いろいろカクテルを調べてくれたんだろうなぁ。
女の子としては、こういうのは、やっぱり嬉しいよね。
美味しいお酒と雰囲気にだいぶ酔ってきたなぁー。
「ちょっとトイレ行ってくるね。」
「気を付けてね。」
心配する来騎に、手を振って席を離れる。
狭い通路をしばらく歩いていると、男子と女子と別れてトイレがあった。
トイレに向かって、更に奥に進むと横の扉が開いて、いきなり誰かが、飛び出して来た。
「きゃっ!」
ドンと横の壁とその相手の間に挟まれてしまう。
咄嗟にその相手の腕の中に包まれた。
「すみません。大丈夫でしたか?」
甘い香り…。
優しい声…。
日に焼けた逞しい腕…。
ドキドキ…。
私の胸の高鳴りが加速していた。