君のKISSに夢☆CHU
第9章 弟から兄へ宣戦布告
兄さんが作ったパスタを桜音に出している。
なんで?
なんで、桜音と兄さんが話してるの?
二人は知り合いなの?
仲良さ気に話す二人を遠くから見ていると、兄さんが桜音の口を指で拭った。
間違いない!
今日初めて会ったわけではない。
僕が知らないとこで、兄さんはいつ桜音と会ったんだ?
僕の中で嫌なモヤモヤが、どんどん大きくなっていく。
苛つく気持ちを抑えながら、接客を続けていると、兄さんが桜音にパスタを食べさせようとしているのが、目に入った。
「ちょっと、ごめんね。」
接客中のお客さんに声を掛けてから、僕はいてもたってもいられず、兄さんと桜音の間に入った。
「何のつもりだ?」
兄さんの低い声が聞こえたけど、僕は気にせず兄さんを睨んだ。
それは、こっちのセリフだよ!