君のKISSに夢☆CHU
第9章 弟から兄へ宣戦布告
兄さんの腕を掴み、無理矢理外に連れ出した。
桜音が心配そうな顔をしていたけど、今の僕はそれどころではなかった。
兄さんに、ちゃんと話を聞きたかったんだ。
「来騎、今仕事中だぞ。自分がしている事が、ふざけた事だってわかってるんだろうな?」
明らかに怒っている兄さんに、少しだけ苛立ちが収まる。
「それは、悪いと思ってるよ。ただ、兄さんは桜音とどういう関係なの?いつ出会ったの?」
「お前が、女の事でそんなにムキになるなんて珍しいな。」
「はぐらかすなよ!桜音とどういう関係なんだ?って聞いてんだよ!」
思わず兄さんに怒鳴ってしまった。
「おい!そんなにムキになるな。少し落ち着け。そんな状態じゃ、まともに話なんてできないだろ?」
兄さんは、いつもこうやって冷静だ。
感情をぶつけてきたことなんてない。
年が離れてるから、いつも僕の事は子ども扱いだ。
そんな兄さんが、今日はいつも以上にムカついて仕方ない。
「桜音の事、兄さんは好きなの?」
回りくどい質問等面倒で、単刀直入に聞いてみた。