君のKISSに夢☆CHU
第15章 来騎の嫉妬
「なんなのよ!カウンターにいる女、彼氏いるでしょ?何をそんなに慌ててるわけ?私の雑誌返してよ!」
その言葉を聞いて、来騎の表情が一気に曇る。
輝愛は参ったなといった顔で、私の方を見た。
お店の中がシーンとして、何ともいえない空気が漂う。
「どういう事だよ?」
沈黙を破って来騎が女の子に詰め寄った。
その必死な来騎の表情に、女の子の方がドン引きしている。
「この雑誌に彼氏と一緒に出てるのよ!雑誌あげるから、ゆっくり見れば!私はもう帰るから!」
女の子はテーブルにバンとお金を置いて、怒りながら店を出ていってしまった。
まだ早い時間だったので、お店には、他に数名シンさんが接客しているお客さんしかいない。
お客さん、少なくて良かった…。
「お騒がせしました!」
輝愛がシンさんのいるテーブルに頭を下げる。
そんな輝愛とは対照的に来騎は、何も言わずまだ腹の虫が収まらないようだ。
輝愛に近寄ると、雑誌を取り上げようとした。