君のKISSに夢☆CHU
第15章 来騎の嫉妬
雑誌を閉じて、静かに天井を見つめている来騎。
しばらくそのまま動かずにいたが、大きくため息をつくと、こちらに近づいてきた。
「桜音…ゆっくり話聞かせてくれる?」
「うん…ちゃんと話すよ。」
そう言った私の腕を来騎がグイッと引っ張った。
来騎の腕の中に抱き締められて、ギュッと強く力が入る。
「他にもお客さんがいるから離して。」
「やだっ!離さない!」
「来騎、ダメだって。」
「やだっ!」
来騎の腕の中で、もがけばもがくほど、来騎は強く抱き締めてくる。
来騎の胸を強く押そうとした瞬間、私の体が来騎からグイッと離された。
「おい!いい加減にしろよ!」
「何で?何で兄さんに、説教されなきゃいけない?この前、自分は桜音の家に行って、それで彼氏気取りなわけ?」
私の体を来騎から離した輝愛を、来騎が睨みつけた。
そんな来騎を見下ろしながら、輝愛が鼻で笑うと、ゆっくりと口を開いた。
「だからお前は、ガキだって言うんだ。青過ぎるんだよ!」
「ふざけんなよっ!彼氏気取りでいい気になってんじゃねーよ!」