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君のKISSに夢☆CHU

第15章 来騎の嫉妬


ゴツッ!


握った来騎の拳が、輝愛の頬にぶつかる鈍い音がした。

「痛っ!」


口の中を切ってしまったようで、輝愛の唇の端からは、血が流れる。

それを手で拭うと、輝愛は来騎を冷めた瞳で見て、ホールから出て行ってしまった。


「何だよ!逃げるのかよ!」


来騎の言葉を無視して姿を消してしまった輝愛。

付き合ってられないといった感じなのだろう。

一連の様子を見ていたシンさんが、来騎の肩をポンと叩いて言った。


「来騎。今日はお客さんも少ないし、もうあがれ。桜音さんも一緒に。」

「はい。すみません。」

「シンさん、俺…。」

「今日は帰ってゆっくり休め。一度落ち着け。輝愛には俺から話しておくから。」

「すみません…よろしくお願いします。」

「桜音ちゃん、来騎を頼んだよ。」


シンさんに見送られて、来騎とお店を出た。


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