君のKISSに夢☆CHU
第15章 来騎の嫉妬
駅へと向かう途中、来騎は私に何も話し掛けてこない。
さっきよりは、気持ちも落ち着いてきたのか、今度は悲しげな感じの表情をしている。
私からも何を言っていいのかわからず、沈黙のまま駅までの道を歩いていた。
駅に着いたので来騎に声をかける。
「来騎、今日はごめんね。またね。」
そのまま改札に入ろうとすると、来騎が私の腕を引っ張り、改札とは違う方へ歩き出した。
「来騎…?」
「…………。」
何も言わずにズンズン歩き出す来騎に不安を感じる。
「ねぇ、来騎。どこ行くの?」
「…………。」
「来騎ってば!いい加減にして!」
声を荒げて腕を振り払おうとすると、その腕を更に強く握り来騎が真っ直ぐに私を見つめる。
「あんなの納得出来ないんだよ!誰なの?あの相手?」
「友達だよ。」
「友達と裸で抱き合うの?」
「撮影の為でだけだよ。全裸ではないよ。」
「そういう問題じゃない!」