君のKISSに夢☆CHU
第16章 桜音の決断
「ごめん…嫉妬でちょっと熱くなりすぎたよ…。」
来騎の瞳がいつものように、優しい瞳に戻っていく。
良かった…。
「怖がらせて、ごめん。僕、桜音の事になると、感情的になっちゃうんだ。それだけ桜音に夢中なんだよ。」
「うん。来騎がすごく愛してくれてる事は、ちゃんと伝わってるよ。」
「だから、兄さんにもガキだって言われちゃうんだ。僕は後先考えずに、桜音を欲しくなっちゃうから…。」
「うん。」
「誰にも渡したくないんだ。」
来騎が苦しそうな表情をして吐き出すように言った。
私がちゃんと答えを出さないから、来騎が苦しんでるんだよね…。
私は輝愛が好き、来騎の事も好きだけど…。
ちゃんと言わなきゃ。
「来騎、私ね…。多分、輝愛の事が好きなの…。」
「うん…。兄さんと僕の何が違うの?兄さんのどこを好きなの?」
早口で質問攻めにされて、戸惑ってしまう。
私は輝愛のどこを愛してるんだろう?