君のKISSに夢☆CHU
第5章 case3,CAFE☆年下の男
「来騎…。」
「んっ…?」
「逃げないから、一度離して…。」
さっきまで、力強かった腕が緩んでいく。
見上げると寂しげな瞳の来騎が、心配そうにこちらを見ていた。
「桜音…?」
「ごめんね。なんか来騎がかっこいいから、一緒にいるのが、恥ずかしくなっちゃった…。」
「そんな事思わないでよ!桜音だって綺麗だから、チラチラ見て来る男達に、僕だって威嚇して歩いてたくらいなんだよ。」
「えっ?」
「桜音の事、ナンパしようと色んな人が見てたよ。」
「嘘…?」
ハァーッと来騎が溜め息をついた。
「僕、高校生だし桜音が全然恋愛対象にしてくれないんだろうなって、僕の方が多分必死。」
そう言って顔を真っ赤にした来騎。
耳まで真っ赤になっていて、すごく可愛い。
「ありがとう!そう言ってもらえるのは、素直に嬉しい。」
「あぁ!すんごいKISSしたい!ねぇ、桜音。部屋行ったらKISSしていい?僕、今すんごい桜音とKISSしたい!」
「ふふっ。来騎次第かな?」
私達は足早に来騎の家へと向かった。