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すきってきもち

第1章 デアイ






「お腹すいたなぁ」


勇気を出してホストクラブのBEASTに
訪れてから1週間

あまり変わりない日々を送ってる


「先輩一緒にご飯行きません?」
「いいよ、どこ行こうか」

「明恵ズルい!珠菜もいく!」
「はいはい」

鬱陶しそうにあしらう明恵ちゃんだけど
仕事のパートナーとしては最高で
最も信頼してる部下のペア


しっかりしていて、22歳で
凛とした空気を纏える彼女はカッコいい


「いつものとこで」
「じゃあ書類、広報に渡してくるね」

「了解でーす!」



12時過ぎによく行くカフェへ

「いらっしゃいませ
今日は2階が空いてますよ」

気遣いを受けて、2階へ


「聞いてもらえます?」


誘ってくれるときは大概
彼氏さんの不満、上司の愚痴
女社会のこの業界は
ズル賢い人も少なくない


もちろん純粋に一緒にご飯食べに
誘ってくれるときもあるけど

今日は前者みたい

「わぁ、新メニューある
私これにしよー」


いつも思うけど、珠菜ちゃんは
女子って感じがする

同姓から見ても可愛い


そう、あまり変わらない日々の
"あまり"それは、女の子の観察


ここのウエイトレスさんとか
近所の女子高校生とか


職業病でもあった女の子の観察が
あの日から進行してるの







自分の女性らしさが
欠けてることに危機感を持った


さすがに25歳で、処女は……あはは……




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