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すきってきもち

第1章 デアイ




「じゃあさ、ここ来て」

ベットのふちをとんとんと叩いた
首をかしげつつ座ってみた


軋む音が後ろでしてドキッとしたら
後ろから抱き締められた、それも強く

「さっきは勝手な事してごめん……反省してる」
勝手なこと、、思い出して顔に熱が集まる
こっちもあるよーと言わんばかりに
唇がヒリヒリ

「だから?でも?……とにかく!!」

"俺を嫌いにならないで"


消え入りそうな声だった
「お願い……っ」


「一旦離して?」
ふるふると髪があたる

「やだじゃないの、反省してるんでしょ?」
「してるけどっ!」

「なら、離して」


腑に落ちない様子で
腕をといた

体を反転させて
項垂れてる彼を覗いて顔を合わせた


「レイさん」
「…」

「もう」

ちゅっ

「ふふ、かぁわいー」
「えっ」


はぁ……今日は大変だ
自分からキスしちゃった
若い子で言う引いてなきゃいいけど

「私は嬉しかったのに、後悔にしないでよ」
「ゆりさん?」

「ファーストキス奪ってくれたのが
レイさんで嬉しかったのにな」

男性が怖いと思った出来事
それは小さいキッカケだった

日々が過ぎていくと
そりゃ周りは恋愛して結婚して
孤独だったな……

だって私はできないと思ってたから
たったのひとつも

そして何より羨ましくて憧れで……



「レイさんが私に触れてくれて
嬉しかったのに……」

「きゃッ」
「俺は恐かった、でも……」

痛いくらいぎゅっとするくせに
声も腕も頼りない

「でも?」
「百合さんが愛しくて……でもやっぱり不安で」


「よしよし」
今度は向い合わせだから
まだ不安顔の彼の頭をぽんぽん

「もー、もーいいよ拒否られないなら」
「ふふ」


「そろそろ出ようか」
「あ!仕事は終わったの?」

「とっく間のにね」




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