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サバイバルやってみた話

第3章 完全に生きるサバイバルにタイトル変えたいな……

 お先にどうぞ。


「え、俺?」


 そりゃそうだ。まず、慣れた方から味を見てくださいな。


 北岡は、さらに火であぶった。





 さては、セミは初めてだな。


 食べる時に「よし、行けっ!!」て食うやついるか?


 目を固く閉じて、唇開いたまま歯を動かして食った。


 シャリシャリ音させてね。


 やや涙目になりながら、飲み込んだ。


「いかがでした?」と聞いてみた。


「なんか、ジャリジャリするし、苦い」


 それ、焼きすぎですょ。てか、真っ黒だったぞ。


「よし、お前の番だ」


 待て……誰もいない場所で、そのやり取りして、なにが面白いの? 


 はぁ、食うのか……。


 同じくらいに黒々とやいてね。


 食ったよ。思いきって。


 たしかに、ジャリジャリしたし、苦かった。だけど、なんとなく、えびせん食ってるような味がした。


 これ、うまく焼いたら美味いだろうな。


 だが、もういいわ。


 北岡の手には、まだ2匹。


「かわいそうだから、逃がしてやるか」


 いや、あんた、セミは無理だったんだろ!!




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