テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第10章 新たな未来へ・・・


待ち焦がれた夏休み


約束の日


オレは早起きしてカンナを迎えにいく。






『それじゃ、二人とも気をつけてね』



心配そうな様子を隠しつつも

カンナのお母さんが笑顔で見送ってくれる





『はい。昼過ぎには戻る予定でいますから』



『じゃ、お母さん…いってきます♪』





おばさんがニッコリ笑って

さりげにオレに・・・丁寧に頭を下げる





つられてオレも会釈すると

おばさんの表情は

うんとにこやかになっててさ




・・・あ、なるほど




横にいるカンナを見ると

その理由がわかった




この間の帽子を被って

可愛い服を着て

カンナはルンルンだった



その笑顔が…あまりに明るく元気で

楽しそうだから



おばさんも…つい

本当に嬉しくなったんだろう






『いってらっしゃい…!』




『『いってきまーす・・・♪』』




おばさんに見送られて

カンナと駅に向かう




満員電車にぶち当たらないように

早めに出発して

オレたちはあの場合へ向かう





『よし・・・カンナ♪∥後ろ∥乗りな』




おばさんが見えなくなった所で

オレは角に隠してた

チャリンコを引っ張り出す




『ぃ・・・?』




∥嫌な予感全開∥のカンナ(笑)





『念のため…持ってきただけだよ♪

∥一緒に∥は、乗らないから安心して』




マジメなカンナが心臓バクバクする事を

わざわざする必要はないからね



でも万が一、途中でカンナが

具合悪くなったりしたら

なりふりかまってらんないから



ないアタマで考えて

オレが備えてきた、そのひとつ。





『ほら、乗りなって』



『ぁ…歩くよ』




『目的地に着く前にスタミナ切れしたら

かわいそうだと思ったんだけどな~…』




わざと寂しげにボヤいてみた




『ぅ・・・ぁ…あ…ありがとう』




理解したカンナは少し慌てて

チャリの後ろに乗った




そのままチャリを引いて

ゆっくり駅に向かう




こんなのんびりした気持ち

オレ自身も久しぶりだった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ