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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

数回のコール音の後、



K「トモ?殺した?」



開口一番、物騒なことを言い出すカミヤマさん。



やっぱりおかしい。



いつもなら、電話の初めはオレのことを労うなりなんなりするはず。



O「んーん。まだ。ね、電話でさ、話してみない?まつにぃと。」



そうカマをかけてみると。



K「え。」



電話の向こうで絶句したんだろう。



急にカミヤマさんが静かになった。



O「最後に言っときたいこととかない?」



K「ないよ。大丈夫だから、それより早く俺の仇をとってよ。」



切羽詰まった彼の声。



それは少しイラついているのか、ザラザラとした声で。



やっぱりなんか変だよ・・・。



O「カミ、ヤマさん?ねぇ、ホントにまつにぃが、銃を乱射したの?オレには、そーゆー風には見えないんだけど・・・。」



まつにぃに聞こえないように問いかける。



K「ホントだって!!トモ、俺を信じてよ。ね?だから早く殺して?じゃ、切るよ?」



O「あ!ちょっと待って!!話し終わってな、」



プツン、と音がして、オレが喋っている最中に切られた。



どーすりゃいいんだよ、オレ。



今までまつにぃにしてきてもらったことを考えると、出来ることならまつにぃは殺したくない。



でもクライアントの依頼は絶対だし・・・。



そう悩むオレに、まつにぃが話しかけてきた。



M「おい。オオノ。今、クライアントの名前、カミヤマ、っつったか?」



O「え、聞こえたの?」



やば。殺し屋人生初の不覚。



M「言ったよな?カミヤマって。」



その口調はあまりに厳しくて、



O「・・・ならなんなの?」



と聞いてみる。



すると、まつにぃが切なげな顔をして笑って言った。



M「オオノ、おまえ、騙されてるよ。」

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