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KIND KILLAR

第2章 I want to know you

気がついたら、うなづいていた。



世の中の不条理さ。



オレみたいに、家族も家も夢も、何もかもなくしたやつもいれば。



どこぞの社長は、オンナをはべらせて今頃フィーバーしてる。



これが不条理じゃなかったら何なんだよ。



O「なあ。ホントに対抗できるのか・・・?」



薄茶色でツーブロックの髪をかきあげながらニヤリと笑うケンの様子を伺いながら尋ねる。



「まあ、キミの努力次第だけどね?その顔は・・・ヤル気になってくれたんだ?」



その言葉にうなづくのは癪で、顔を背ける。



O「っ・・・どうすればいい?どんな訓練をすれば、アイツに・・・いや、このクソみたいな世の中を・・・壊せる?」



ごめん。かーちゃん。



オレより辛い人たちがいるのは、分かってるんだ。



でも。



多分、オレは。



こうでもしないと生きてられないから。



生きがいがなくなっちゃうから。



だから・・・。



オレは、オトコの事務所へと向かった。


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